築30年以上中小ビルに欠かせない

分散修繕計画の作成

分散修繕計画は賃貸計画と資金計画と工事計画の総合したビルの存続計画です。分散修繕計画を作成する目的は、3つの責任、4つの安全、3つの安定が維持できるようにすることです。

分散修繕は、分散修繕計画が必要です。計画無しでなんとなく維持できるほど築古ビル所有は甘くありません。
賃料収入が減少し大型工事支出が増える築古ビルは、経営が厳しくなって当然です。3つの責任、4つの安全、3つの安定が維持を考えることで、自然に過剰な工事はなくなり、減少する賃料収入に合わせてビルも工事もシンプルになることができます。

1.分散修繕計画は何を計画するのか?

分散修繕計画は、中小ビル所有者がビルを長く維持するために欠かせない

を維持続けられるように、賃貸方針を決め、また必要な工事を行うための資金の準備と、必要な工事を時期と予算の分散を計画します。

ToDo計画ではなく、3つの責任、4つの安全3つの安定を維持続けられることを確認するための計画です。

1.1.分散修繕計画と長期修繕計画の違い

工事の計画と聞くと、既に長期修繕計画があるから必要ないとお考えになるかもしれません。しかし長期修繕計画の通りに工事をしているでしょうか?

分散修繕計画は、長期修繕計画では考慮されていない、しかし工事判断に欠かせないビルの経営と今後の賃貸方針を反映させた、総合的なビルの存続計画です。

1.2.分散修繕計画のフォーマット

分散修繕計画は賃貸計画と資金計画と工事計画の総合したビルの存続計画です。

期間は30年を推奨します。実際の分散修繕計画は、エクセル等の表計算ソフトで簡単に作成・検討できます。

2. 分散修繕計画の作成

ここから賃貸計画、資金計画、工事計画の作成及び3つの責任、4つの安全、3つの安定の確認をそれぞれ見てみます。見ると明らかですが、いずれも独立したものではなく、関係し、影響を与え合っています。分散修繕計画が必要な理由が一目瞭然でしょう。

2.1 賃貸計画

賃貸計画は、今後の賃料収入見込みです。現在賃料が続けば理想ですが、経年と共に今後どの程度下がるかは、地域賃貸マーケットの動向とその中でのポジション力で決まります。

た分散修繕計画での建物設備機能の状態及びトイレ・給湯室のリニューアル等賃貸対策工事をいつどのように行うかでも、今後の賃料の動向が違ってきます。賃料が上がるアップサイドは期待できない時代ですが、どの程度賃料下落を止められるのか、一定水準を維持できるのかは、こうした工事をいつどのように行うかで決まります。

賃貸計画は、今後の賃料収入見込みです。現在賃料が続けば理想ですが、経年と共に今後どの程度下がるかは、地域賃貸マーケットの動向とその中でのポジション力で決まります。

2.2 管理計画

管理の改善が必要な場合は、管理計画を見直します。ただし管理費を削減したら長期的にビルが荒れた、は避けなければいけません。

建物管理費、清掃費、保守点検費、保険等に削減余地があるかどうかを検討します。費用を削減する場合、削減により長期的に悪い影響がでないか、事前に時間をかけて検証が必須です。

2.3 資金計画

資金計画の目的は、分散修繕予算の確保です。分散修繕予算は、2つの考え方があります。

1つは、30年分のビルの年間収支から、公租公課、所得税、借入金がある場合の借入金返済、取り分等を差し引いた残りから安定して確保できると思われる金額です。もう一つは、30年分の必要な工事予定金額の総額です。前者の金額が圧倒的に大きければ問題ありませんが、そうではない場合、あちこちを調整することになります。

2.4工事計画 (工事対象)

工事計画は、狭義の分散修繕計画です。参考として、業者が作成する長期修繕計画表が使えます。  

分散修繕計画では、そこから次の30年の間に工事が必要と想定される工事対象に対して、次の一つ一つを検証して、取捨選択追加を行います。

  • 30年後の想定賃料収入のポジションビルとして過剰になる建物設備機能は経年劣化したら廃止をする
  • 30年後の想定賃料収入のポジションビルとして、必要な建物設備機能でも、過剰になる機能スペックグレードは断捨離して更新の際にシンプルにする。
  • 現在及び今後の一般的な要求として必要になる建物設備機能を加える。
  • 必要があればトイレ・給湯室・エントランス等共用部のリニューアル工事を加える
  • 必要があれば、更に大きな改装工事等を加える

2.5工事計画 (分散計画)

 
理想的な分散修繕での工事の分散は、次の通りです。

次の予定工事に向けて、賃料から無理なく定額確保できる金額を内部留保し、必要資金が貯まったら工事をする。工事が終わると、次の予定工事に向けてまた、賃料から無理なく定額確保できる金額を内部留保し、必要資金が貯まったら工事をする。この繰り返しであれば、永遠に赤字を作りません。

ただし赤字を作らないことだけが目的ではなく、次の3つの全てが確認できて初めて分散修繕計画と言えます。

2.6責任と安全の確認

分散修繕の計画表は数字の収支表ですが、同時に毎年毎年の賃貸の状態・建物設備機能の状態を表します。

現在のビル状態から年々進行する経年劣化の状態。それに対していつどの建物設備機能をどの程度の予算で更新するかを追うことで、毎年毎年のビルの状態がわかります。

従って、毎年毎年の収支結果及び賃貸の状態・建物設備機能の状態を追うことで、毎年毎年ビルが責任を保てる状態にあるか、安全は保てるかを確認することができます。
3つの責任の確認
3つの責任は、基本は四つの安全が保たれていることで、責任を保つことができます。他にそれぞれのネックとなる問題があれば、その問題の解決も確認をします。

4つの安全の確認
4つの安全は次の通りに確認をします。
4つの安全 確認の仕方<

事故を起こさない

30年の横軸で、酷く悪化し事故リスクが高い建物設備機能状態の年がないこと

建物設備機能を維持する

30年の横軸で、酷く悪化し機能停止リスクが高い建物設備機能状態の年がないこと

賃貸を維持する

空室が出てもビルの状態が悪くリニューアル工事ができず、空室が長期化する恐れが高い年がないこと

赤字にしない

基本は収支のボトムが赤字にならないこと。時に赤字が生じても短期間で解消できること

2.7.安定の確認

中小ビルにとっては、安定は大変に重要です。

分散修繕計画30年間の賃貸状態、ビルの建物設備機能状態、経営収支のそれぞれの横ラインが、可能な限り安定していることを確認します。

3つの安定 確認の仕方<

賃貸の安定

分散修繕計画の賃貸計画のラインが、なるべく安定していること。下がる場合もゆっくり下がり大きな上下がないように、賃貸対策等の適切な対応が取れていること

建物設備機能状態の安定

分散修繕計画の工事計画で表される実際の建物設備機能状態が極力安定していること。一つ一つの対象では時に対応時期前には経年劣化していることがあるが、ビル全体としては一定の水準を保てるように、工事の分散ができていること

経営の安定

分散修繕計画の資金計画で、安定した分散修繕計画を確保でき、工事計画で赤字を作らないように工事の分散ができていること

2.8.シナリオを描く

最後に分散修繕の重要な概念である「シナリオ」をご紹介します。分散修繕では、最終的に賃貸計画、資金計画、工事計画は一つの「シナリオ」として表現できるように作成をします。「シナリオ」とは、ビルがいつ何の工事をして、いつ退去がありどのような賃貸をして・・・というビルの重要な出来事を並べたビルの物語です。

「シナリオ」は、賃貸計画、資金計画、工事計画の統合を表します。それぞれがちぐはぐでは必ずどこかで破綻が出ます。
中小ビル所有者は、分散修繕計画の作成を通して多くの「シナリオ」を検討すればするほど、様々な想定外の状況に対応できる強いビル所有・経営力を身につけることができます。


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