100年時代:築40年以上中小ビルの

分散修繕とは

   

分散修繕とは


中小ビルの分散修繕とは、計算された計画的な建物設備機能の更新の分散で、中小ビルをテナント入居を続けたまま、経済的に無理なく築50年の壁を超えて100年以上でも長く生かし続ける方法です。分散修繕は、ビルが築100年200年でもまだまだ現役であり続けるヨーロッパをはじめとする世界の中小ビルでは、ごく一般的な方法です。

従来の日本の建築ソリューションは、リノベーション・大規模修繕共に建物の見た目をまず第一に綺麗にしますが、分散修繕は建物の設備機能の維持をまず第一に検討することで、建物維持費用を劇的に削減できます。分散修繕では、建物の設備機能維持の工事を、計算された計画に基づいて行います。行き当たりばったりの修繕管理では、資金不足で修繕ができなくなりスラム化したり、人に危害を与える事故が起こるリスクが高く、社会的に危険で迷惑な存在になるからです。特に古いビル維持の文化がなかった日本では、勘と経験は通用しません。
とはいえ分散修繕の計画は、建設業者が作成する長期修繕計画とは違います。中小ビルの分散修繕の計画は、賃貸計画、管理計画、分散修繕の予算計画及び実際の建物設備更新及び賃貸維持対策の全ての計画を統合した、ビル所有者の今後のビルの存続計画です。計算された分散修繕計画の計算とは、赤字負債化しないように建物使用寿命と収益寿命を保つバランスの計算です。つまり計算された分散修繕の計画と計算は、建設業者が作成する長期修繕計画他の専門家・専門業者意見を元に、ビル所有者自信が作成します。

分散修繕は、計算された計画的な建物設備機能の更新工事及び賃貸対策で、築40年を越えた中小ビルを、経済的に安定して維持する方法です。分散修繕では、ビル所有者が、自身で今後の予算と賃貸方針に合わせて建物設備更新等工事を設計できるようになります。だから経済的にビルの機能を維持し、自ビルの個性を生かして築年数に関係なく賃貸を成功できます。


従来方法と分散修繕の違い

   

   

   


分散修繕の取り組みに必要なこと

   

   


ビル所有スキルのアップデート

加えて基本的なビル所有スキルも、良い時代の築浅向けから厳しい時代の築古向けにアップデートが必要です。

分散修繕の本質


計算された計画的な分散修繕の中身をご説明する前に、そもそも何を「計算」するのか、なぜ分散修繕ならば中小ビルでも長く建物使用寿命と収益寿命を延ばすことができるのかをご説明します。

自立した分散修繕の輪を回す

分散修繕の計画で計算をするのは、自立した分散修繕の輪が回ることです。中小ビルは、自立した分散修繕の輪が回るように計算された計画的な分散修繕を続ける限り、ビルは築50年の壁を超えて100年どころか200年以上でも存続できます。もちろん日本では1000年に一度の大震災の大激震地に あたるリスクは皆無ではありませんが、そのような稀なリスクを恐るばかりに、より確実に起こるビルが正しく維持できず街が荒廃するリスクの対応ができないことは、間違っています。 当たらない限りという状件はありますが、そのリスクは日本全国等しく高いわけではありません。


分散修繕でビルの建物使用寿命と賃貸寿命が無理なく保てる理由は、分散修繕では、自立した分散修繕の輪を作ることにあります。自立した分散修繕の輪とは、賃料収入からその一部で建物設備機能の更新及び賃貸対策を行い、それによる賃貸継続で得た賃料収入の一部で次の工事を行い・・の継続により、外部資金を投入することなく、建物使用寿命と収益寿命が続くことです。自立した分散修繕の輪が続く限り、ビルは永続的に存続できます。
   

分散修繕の輪のより本質的な意味

自立した分散修繕の輪を回すとは、小さな投資と小さなレバレッジを何度も行っている状態です。リノベーションや大規模設備改修のような大きな投資は、景気の良い時代か資金力のあるビルが行うものです。中小ビルは、投資を小さく分散させることで、投資失敗リスクを最小限に抑えて、安定維持を実現します。

1.経済的に建物設備更新工事を行う


経済的な建物設備更新工事とは

経済的な建物設備更新等工事は、安ければ良いとは違います。相見積もりでは決死で無理です。経済的な建物設備更新等工事とは、次の条件を満たしています。

長期的な問題解決と長期的な安全安心安定維持に必要な工事
 

ただし次の3つを追求します。

1 過剰な中間費を排除する。
2 過剰な念のため工事や過剰機能は排除する
3 速すぎず遅すぎないタイミングで行う
   

相見積もりは厳禁

ビル所有者は重要工事に相見積もりは厳禁です。意外に思われる方が多いですが、相見積もりは安かろう悪かろうにしかなりません。少し考えたらわかるでしょう。また相見積りと消して気軽にある設備業者の見積書や程案を他社に見せて話すような人は、人間として信頼されません。その時は安い工事ができても、長期的にはビルの将来をどの業者も真剣に考えてくれなくなります。ビル経営は、一般素人のリフォームとは違います。十分に配慮をしてください。


経済的な建物設備更新工事の取り組み方

経済的な建物設備更新等工事ができるためには、提案力ある建物設備業者に直接適切に相談ができることが必須です。それは従来とは違う月の取り組み方で実現します。

   

 

要件を準備して相談をすることは、単に提案力ある設備業者に相談を聞いてもらえるようになるのみならず、安ければ良い系工事の業者は、話に乗ってこなくなり自然に排除できます。


経済的な建物設備更新工事の準備の流れ

経済的な建物設備更新等工事取り組みは、ビル所有者が十分に要件を準備できていることが必須要件です。

   

ビル所有者の希望要件だけを押し通すことはできません。けれども専門業者が勝手に決めるのも困ります。ビル所有者が事前に希望要件の叩き台を準備することで、専門の設備業者と十分な議論ができるようになります。

   

良い工事の「良い」はビル所有者が決めるものです。格安が良いのか、予算に合わせて欲しいのか、とにかく完璧に解決をしたいのか。希望要件として「良い」をビル所有者が事前に伝えることで、提案力ある設備業者は要件に沿った「良い」を安心して程案することができるようになります。

2.築古賃貸を決める


築古賃貸の流れ

はじめに重要なことが、 テナントの目線での自ビルの特徴の理解です。その中でも変えられない条件と変えられる条件を区別して、条件を分析します。

   

内部要因は、一度把握ができると、頻繁に大きく変わるものではありません。だから是非やって欲しいところです。

   


要点1ターゲットテナントを見つける

要点の第1は、地域賃貸マーケットの中で自ビルの変えられない条件で選んでくれるテナント像を見つけることです。これがターゲットテナントです。不動産屋や現在テナントからヒアリングも効果的です。


要点2費用対効果が出る賃貸対策をする

要点の第2は、これがわかれば苦労はしないと言われそうですが、何をすべきかは、自ビルの条件分析とターゲットテナント分析から決めることです。ターゲットテナントを向いて、ターゲットテナントにより喜ばれることをします。決してリフォーム業者等の営業文句だけで決めるものではありません。


要点3 リーシングのPDCAサイクルを早く回す

早期成約の唯一の方法は、実際に賃貸募集をして、その反応をみて必要な修正を早くできることです。賃料を下げる、広告宣伝費を増額するといった不動産業者のための方法だけでなく、営業方法・賃貸仲介業者の見直しも含めて改善をします。

3.計算して計画ができる


30年分散修繕のイメージ

分散修繕の理想は、次の予定工事に向けて無理のない金額で毎年予算をセーブして建物設備更新工事を実施し、終わると次の工事に向けてまた予算をセーブ・・の繰り返しです。これを自立した分散修繕の輪が回るように計算して計画的に行います。自立した分散修繕の輪が回る限り、この繰り返しで気がついたら100年以上過ぎているでしょう。

   


30年の分散修繕計画

実際の分散修繕計画は、単なる工事計画ではなく、賃貸、管理、建物設備更新等工事、賃貸対策を含むビルの今後30年の総合維持計画です。従ってビル所有者が作成をします。自立した分散修繕の輪が回ることを数字で確認しながら設計します。

   


分散修繕計画の設計

分散修繕計画の設計は、次の3つのそれぞれの分野を、自立した分散修繕計画の輪が回るように設計をします。計画表の縦と横を両方見ることが、秘訣です。

1賃貸方針の設計
2建物設備機能等更新方針の設計
3 収益及び資金安定性の検討 
   


1賃貸方針の設計

楽に低リスクで維持できる賃料ポジションを見つける

どういうことか比較的小規模ビルの例を見てみましょう。

   

基本的な考え方
・特に賃貸対策は投資しない
・建物設備機能は、Xの賃料水準で求められる水準を維持
立地/グレードに強みがあるビル向け

   

基本的な考え方
・Zは、一定期間(5年ー 10年)の賃料上昇による像収入総額
賃貸対策の投資額+建物設備機能をX賃料の水準に維持するためにAケースより追加でかかる費用の合計が、Zより十分に少ないことがBケースの必須条件


XとYの間、Xより上を含めて、なるべく楽に低リスクで自できる賃料水準を見つけます。
賃貸方針の設計で重要なことは、「賃料予測」と「何をしたら効果があるか」の分析が、なんとなくや○○業者が言うから、ではなく論理的に検討できることです。つまり

賃貸方針設計の要点

賃貸方針の設計で重要なことは、「賃料予測」と「何をしたら効果があるか」の分析が、なんとなくや○○業者が言うから、ではなく論理的に検討できることです。つまり

・賃貸対策後物件が、地域賃貸マーケットの想定賃料ポジションで競争力があること
・賃貸対策の内容が、低コストでターゲットテナントに選ばれるものであること 

をそれぞれ客観的に説明ができる方法でベストを追求します。例えば壁が薄汚れているから綺麗にする目的ならば、所有者が自分で塗装をすることができます。それでよいか、プロの塗装が望ましいかは、賃料水準とビルグレードによります。


2建物設備機能等更新方針の設計

賃貸グレードに合った水準を維持できるように予算配分を決める
〜各設備更新にいつ頃いくらの予算を準備すればよいのか〜

分散修繕修繕では、各建物設備機能を分散して更新しますが、先に時期と予算の目線を持っておきます。これは他の問題と重なり予算がない、工事が大きくなりトラブルが増える事態を避けるためです。計画はずれても構いません。また改めて計画をするだけです。

   

   

検討は予算だけ、専門業者の意見だけ、ではなく多角的に行います。

   


建物設備機能更新計画設計の要点

分散修繕計画では、建物設備機能等の更新の設計は、分散修繕計画の横(工事計画)と縦(単年度)の両方を同時に確認しながら行います。

横: 数年かけて予算を貯めて設備更新工事。終わると次の予定に向けて予算を準備する・・サイクルができている。
縦: 1いずれかの建物設備機能が一定水準より悪化しない。 2収支が単年度で大きな赤字にならない。 

現実には、変わる状況に応じて都度計画をアップデートします


3収益及び資金の安定性の検討

まず設計上、各単年度が赤字にならないようにすることが収益及び資金の安定の基本です。ただ今後の賃貸マーケットの読みと建物設備機能リスク増加の読みが甘く、現実には赤字ではどうしようもありません。 賃貸及び建物設備機能更新の想定通りにならないリスクを評価し、悪い場合、更に悪い場合、最悪の場合を想定して、「そんなこともあろうかと」手立てを検討しておくことが、収益及び資金のより安定を実現します。

4.7つの築古ビル所有スキル

厳しい時代に古いビルを大切に長く所有続けるためには、時代に合わせたビル所有スキルのアップデートも欠かせません。特に次の7つが重要です。


1.自ビルのテナント目線での価値がわかる

自ビルの価値に確信がなければ古いビルの所有が不安になるのは当然です。だから築古ビル所有者にとって、このスキルは必須です。そして古いビルの価値は、テナントが自ビルを選ぶ理由なのです。


2.自ビルの潜在リスクがわかる。必要に応じて確認ができる

自ビルの建物設備に何の洗剤リスクがあるか理解をしていることは、ビル所有者としての社会的責任及び貸主としてのテナントに対する貸主責任の2つの責任があります。賃貸リスクを理解していることは、家族・後継者・管理関係者に対する責任です。もちろん必要な時にはいつでもリスクの程度を確認できなければいけません。


3.問題に応じて相談すべき適切な専門業者がわかる

例え付き合いのある不動産屋に相談をすれば紹介してもらえる場合でも、問題が多く経済的により良い工事を求めたい築古ビル所有者にとって、必要に応じて建物設備・賃貸・所有等の問題を相談すべき適切な施門業者を見つけられることは、必須スキルです。


4.適切な専門業者に適切に相談ができる

適切な専門業者に出会えても、ただ何とかして、値段まけて、では良い仕事をしてもらえないのは当然です。適切な専門業者から適切な提案と見積りを引き出すことは、ビル所有者の責任であり、必須スキルです。


5.様々な専門業者と公正に付き合うことができる

ビル資産を長く所有するビル所有者は、「持てる者」としての品格と公正さを持他なければいけません。専門業者や管理関係者を含めて、1対1の付き合いでの公正さのみならず、様々な専門業者や管理関係者との間の公正さにも気を配ることが大切です。一般に日本人はこうした概念が希薄なため、意識的な注意が必要です。


6.自ビルの維持管理に係る法令を知っている

法律の全てを知っている必要はありませんが、自ビルの所有及び建物設備にかかる民法及び行政法規を全く知らないことは、それ自体がリスクです。特に民法、借地s借家法、建築基準法、消防法、不動産登記法、税法等勘違いが大きなトラブルとなりやすいものは要注意です。


7.目先の問題解決のみならず、長期的な影響を考えることができる

長期的にうまくいくように現在の問題を解決することは、ビルを長く所有するビル所有者には必須のスキルです。

 
 
    

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