築30年以上中小ビル賃貸経営者/後継者向け

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中小ビルを寿命にしない 維持思考の分散修繕

中小ビルを無理なく長く使用するために欠かせない維持思考の分散修繕を日本で初めてご紹介します。、本場欧州や日本以外の世界各国の中小ビル維持ではごく一般的なビル維持に必要な工事取り組みの方法です。


コンテンツ

Ⅰ 中小ビル維持思考の分散修繕とは

1. 中小ビル維持思考の分散修繕とは
 2. ビルの経済的寿命と物理的寿命
 3. 延命と維持の違いを明らかにしておく

Ⅱ 分散修繕でビル所有者は何を考えるのか

4. ビルを寿命にしない分散修繕の「考え決める」全体像
5. ビル工事に準備できる予算を考える
6. 今後ビルを誰がどう使用するかを考える
7. 今後どんなビルであって欲しいかを考える

Ⅲ ビル所有者は工事の何を決めるのか

8.分散修繕でビル所有者が事前に決めること
-8.1ビルの総工事予算を決める
-8.2何の工事が必要かを決める
-8.3機能性能グレードの程度を決める
-8.4工事サイクルを決める
-8.5相談をする業者のサービス水準を決める

Ⅳ 30年分散修繕計画を作成する

9.予算とリスクを分散する
10.30年分散修繕計画を作成する
11.分散修繕で日本の中小ビルも寿命がなくなる。ずっと使える。

Ⅰ 中小ビル維持思考の分散修繕とは


維持思考の分散修繕は、ビル所有者が自分の資産を守るために、ビル所有者が準備できる予算に合わせて、優先度の高い工事に予算を配分できるようにします。維持思考の分散修繕は、ビルの本場欧州を始め日本以外の世界の他の国々の中小ビル所有者にとっては、ごく標準的なビル工事取り組みの方法です。だから他国ではビルが築100年築200年を過ぎても現役で使用・維持できているのです。まずその全体像を見ましょう。

1.中小ビル維持思考の分散修繕とは

分散修繕は、築古中小ビルの使用維持に必要な設備更新工事等に取り組む方法です。

一般のリノベーションや大規模修繕工事・大規模改修工事等は、ビル工事を数十年に1度にまとめて行います。経験豊富な建設業者が工事の設計監理をするため、依頼側は楽ですがそうした費用が乗るために大変に高額です。

これに対して分散修繕では、ビル工事取り組みをビル所有者が自分で「考え、決めて、建物を維持する」です。

分散修繕の分散とは、予算とリスクの分散です。これをビル所有者が考えます。自分の資産を守るのは自分です。だから自分の資産を守るために、自分で捻出できる一定期間のビルの総工事予算を考えて、何の工事から優先して予算を配分するかを、自分で決めるのです。決めるのは工事業者ではないのです。

分散修繕が出来ると、リノベーションや大規模修繕工事・大規模改修工事等とはけた違いに少ない工事予算で、ビルが維持できるようになります。この維持思考の分散修繕は、ビルの本場欧州や世界の中小ビル所有者がごく普通に行っている築古ビル維持の取り組みです。だから特別難しいものではありません。

とはいえビルの工事を、所有者が好きに考えて好きに決めて良いわけはありませんから、そこに、管理者や専門業者の意見や提案を参考に、ビル所有者として「考える事を考え、決める事を決める」ための「フレーム」があります。

これをここから見ていきますが、その前にビル寿命の意味を確認しておきます。

2.ビルの経済的寿命と物理的寿命

はじめにでもご紹介していますが、日本でビルが寿命と言う場合、実際には物理的寿命と経済的寿命があります。

物理的寿命は、廃墟ビルが例ですが、電気や給排水等の基本インフラ機能が無く、また事故の危険が高まりビルが使用できない状態を言います。 経済的寿命は、維持に必要な工事費用を捻出できない場合、もしくはこの古いビルに、維持に必要な工事資金を投下する価値がないと考え、実際の物理的寿命になる前に、物理的寿命になることを想定してビルを諦める場合です。日本でビルが寿命と言う場合のほとんどは、経済的寿命です。

日本最古の鉄筋コンクリート造建造物である、1916年(大正5年)築軍艦島のマンションが未だ存在している通り、鉄筋コンクリートの躯体そのものは半永久的です。ただビルは電気・給排水等の基本インフラ機能を維持し、また衛生と安全状態を管理できなければ、使用ができません。これら維持のための工事費用をかけなければ、物理的寿命に陥ります。

ビルが物理的寿命に陥る場合、その理由はより前段階で「ビル所有者が」ビル維持に必要な工事を行わない「判断」「判断」をしたからです。技術はあります。

そして多くの場合、ビル維持に必要な工事を行わない「判断」をする理由は、工事費用を捻出できない、もしくはこの古いビルに、維持に必要な工事資金を投下する価値がないと考えるといった経済的理由です。つまりビル所有者がビルを「経済的寿命」と考え、取り壊して建替え/再開発という再投資を行わない場合に、「物理的寿命」となるのです。

ビルの寿命は、ビル所有が決めていることなのです。
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3.延命と維持の違いを明らかにしておく

「ビルの建物設備が老朽化して改修工事が高額だから、建替えを決めた」は良く聞く話ですが、そもそもなぜこのビル所有者は、どうすれば、もっと費用を抑えてビルの老朽化設備を更新できるかを考えないのでしょうか?

最近は、「ビルの建物設備が老朽化して建替えを検討したけれど、無理そうだからビルを朽ちるまで使う事にした」という声をよく聞くようになりましたが、これでは延命しかできないでしょう。

ビルの「延命」と「維持」の違いは、次の通りです。
ビルの「延命」高額な工事や面倒な工事は行わないことで経済的寿命を避け、修繕等を繰り返して物理的寿命になるまでビルを使う
ビルの「維持」経済的寿命に陥らない予算で、ビルの使用継続に必要な工事を行い、ビルを物理的寿命にもしない。
 
「延命」の問題は、ビルがどのくらい長く使えるか予測ができない事です。将来の見通しが弱気では難しい工事に取り組めません。また例え現在はある程度の修繕資金の用意があっても、先が見えなければ今後どの程度の準備が必要なのか、分かりません。将来いずれ準備が無理だと感じたら、そこでやはり「寿命」だということになります。

これに対して「維持」は、100年200年それ以上長く使用して利益を得る事を想定しています。ビルには100年200年それ以上長く使用する価値があるとみていれば、長い目で工事取り組みを考え、また工事費用の削減を考えるようになります。日本人は、「ビルの事は分からないから建設業者や工事業者の意見を取り入れる」姿勢がありますが、それでは積極的にビル側の利益を守ることができないのです。維持思考の分散修繕は、ビル所有者が自分の資金事情に合わせ、優先順位をつけて必要な工事は行います。だからビルを経済的寿命にも物理的寿命にもしないのです。
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Ⅱ 分散修繕でビル所有者は何を考えるのか


維持思考の分散修繕では、ビル所有者がまず自分で捻出できる総工事予算を決めます。それから何の工事が必要かを考えるにあたり、今後誰がどのようにビルを使用するかというビルの将来を考えます。ビルの工事とは「問題を修繕して竣工時のビルに戻す事」ではなく、「ビルの将来を作る事」だからです。

4.分散修繕の「考え決める」全体像

分散修繕は、ビル所有者がビル維持に必要な工事総予算やどのような工事が必要かを自分で「考え、決めて、建物を維持する」ことで、ビルを寿命にしません

もちろん一般のビル所有者が「工事をどうすべきか、工事の見積書のどこを削減できるか」なんて考えたり決めたりする訳ではなく、考え、決めたいのは、「大切な工事予算を適切に配分すること」です。それも、ただ「壊れたところを補修する」というのではなく、「ビルの将来を作るために」です。その「考え、決める」全体像を見てみます。


5.ビル工事に準備できる予算を考える

最初に考えるのは、自分はこのビル維持に30年でどれだけの予算を出すか?(出せるか?)、それをどのように予算を捻出できるか、です。

「どれだけの費用が必要か?」ではなく、「自分がどれだけの予算を出す(出せる)のか?」を最初に考える事が重要なのです。

30年のビルの総工事予算は、現在の工事準備資金+今後30年捻出できると考えられる工事資金予定です。だから、例え現在工事準備資金が少ない場合でも問題はありません。特別な事情が無い限り、毎年一定金額をコンスタントに確保する事をお勧めします。毎年100万円確保でも、これから30年では3000万円分の工事ができます。予算確保が難しい場合でも、借入金は極力作らない方法を考えましょう。今後の金利が上昇した局面で、難しくなるリスクを高めるからです。

6.今後ビルを誰がどう使用するかを考える

次に重要なのが、今後ビルを誰がどう使用するのか?をビル所有者・経営者が考える事です。今後ビルを誰がどう使用するのかによって、今後ビルに必要な機能設備や内装等が違ってくるのだから、これは重要です。

ビルの現在の建物設備や機能や内装・外装等は、ビルの竣工時にビルを設計した建築士が竣工後はビルをこのような人がこう使うのではないか、と想定をして決めたものです。ただ50年100年経てば、ビルを使用している人も、ビル使用者がどのような機能設備を求めるかも変わって当然です。工事の際も、工事業者が依頼人は今後ビルをこうしようするのでは、と想定をして工事内容を決めます。これをビル所有者がしっかり考えておくと、工事の無駄を削減できるようになります。

7.今後どんなビルであって欲しいかを考える

最後によくよく具体的に考えるのが、 先に考えた「ビルの使用者」がビルを使用するために、今後どんなビルであって欲しいかです。

具体的とは例えば、
  • ビルの電気・給排水といった基本インフラの機能性能
  • 満足・快適さに関する付加価値 (設備機能や内装・外装)
  • 安全と安心の水準 (セキュリティ・耐震・災害対策・事故の起こりにくさ)
  • やこれらを統合したビルのグレード

を、将来のビル使用者の目線で具体的に描くことです。

仮に現状と同じという場合でも、それは現在の建物設備状態のままを望むのか、時代とともに建物設備状態を変化させて「現在と同じ使い心地」を望むのかで、将来のビルの在り方は違います。どのみち考えるだけなら費用もかからず失敗もありませんから、他のビルなども参考にして、色々考えておく事をお勧めします。

「ビルの寿命は50年前後」価値観のままでは、古いビルにお金をかけないようについこのままで良いと考えがちですが、ビルを長く維持するならば、過去の竣工時のビルの在り方に留まるのではなく、数十年後のビル使用者のことを考えて、例え古いレトロビルでも、こんなビルなら使いたいだろうと考える事が、ビルを長く維持する秘訣です。

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Ⅲ ビル所有者は工事の何を決めておくのか


ビルの工事をどうするかは専門業者が決める事ですが、ビルの総工事予算を何の工事にどのように配分するかは、ビル所有者が先に決めておかなければいけません。同じ工事でも、不可設備機能やグレードをどうするか、工事サイクルや業者選びで、数倍以上工事費用が違うからです。ここを制すると、工事予算を劇的に削減できるようになります。

8.分散修繕でビル所有者が事前に決めること

さて、ビルの今後について考える事を考えたら、長期の総工事予算と、総工事予算の配分を大まかに決めておきます。

具体的な工事のタイミングや内容、最終的な見積金額は、専門業者が決める事ですが、自ビルの総工事予算と予算配分は、ビル所有者が全体を見て決めておかなければ、個別工事の判断ができないのです。そしてこの先で見るように、工事の予算配分を考えるとは、単に何の工事をする/しない、ではなく、付加価値やグレードをどう選ぶ、問題があった時に早めに工事するか遅めでよいか、どの程度サービスの良い工事業者を選ぶか、といった今までも各工事取り組みの際に、ビル所有者がどうしようか悩んで都度決めてきた事です。これをビル全体での工事の予算配分として考える事で、無駄遣いが無くなるという訳です。長期の例として、ここでは30年を考えます。


ちなみに8.2~8.5の工事予算配分は、一つ一つ単独で決めるのではなく、全部を調整しながら、決められるところから決めていきます。

8.1 30年の総工事予算を決める

既にビルの30年のビル総工事予算としてどのくらい捻出できるかを考えましたが、実際にビルの30年のビル総工事予算を決める際には、アプローチは2つあります。

1)厳しい予算をかき集めて、なんとかできる工事を行う。
2)手持ち資金には余裕があっても、なるべく総工事予算を低く抑える

悩むのが、2)です。必要な工事予算は出すけれど、必要ではない工事に無駄なお金は使いたくない。と考えるのはごく健全な感覚ですが、どのように必要と不要と判断すべきか、わかりません。予算を削りすぎてトラブルが多発し事故を起こすリスクも怖いのものです。

分散修繕の分散が、「予算とリスクの分散」であるように、この予算とリスクのバランスの追及は、ビル所有者にとって永遠のテーマです。

一般には経験が浅いほどリスク不安のために、予算を多く取り勝ちで、経験を積み分散修繕の計画の考えが深まるにつれ、より多くの予算削減ができるようになります。まず捻出できる30年総工事予算を任意で決めて、分散修繕の計画を考えながら、削減ができるところを見つけたら削減をしていきます。

8.2 次の30年で何の工事が必要かを決める

先に、今後ビルにどのような機能性能グレードが必要かを考えましたが、そのために今後30年で何の工事が必要かを決めます。

ちなみに現在ビルの建物設備機能でも、次の30年で工事が必要ないものもありますし、工事が必要でももう廃止や他のソリューションがあるものもあります。一方で新しい機能設備が必要になるものもあります。そして「次の30年」という期間を区切る場合、この先の工事サイクルをどう考えるかでも、違ってきます。だから必要な建物設備機能グレードの全てに工事が必要な訳ではありませんが、一方で予算の制約があります。

30年総工事予算金額に応じて、重要度の高い工事から、予算を配分することになります。重要度の高い工事とは、ビルの使用・衛生・安全に欠かせない、電気・給排水等のインフラ設備や外壁の補修・防水その他ビルのインフラ工事が含まれます。


8.3 どの程度の機能性能グレードかを決める

先の「次の30年で何の工事が必要かを決める」際に、同時に考えるべきが、それぞれの工事で、該当工事対象の機能性能グレード水準を、どうしたいかです。それにより、各工事の予算目安が違うからです。

各工事で「どのように工事ができるか」は専門業者でなければわかりませんが、「どの程度の機能性能グレード」仕上がりが欲しいかは、ビル所有者が決める事です。少なくとも現状と同等、より良く、もっと簡素で構わない、といった方針くらいは、決められます。 例えばエレベータ更新工事を例にとれば、次の通り費用の違いは明白です。

8.4 工事サイクルを決める

ビルの建物設備工事がいつ頃必要かは、専門家が見なければわからないもの、と考える人が少なくありませんが、実は実際にはビル所有者が決めています。 例えば漏水が1回発生したら管交換工事を行う方もいれば、度々発生しても「もう少し」と先延ばしにする方もいます。エレベータが法定寿命を過ぎると不安だからと、20年程で更新する方もいれば、事故がないからと50年を過ぎても使用続ける方もいるといった具合です。

維持思考では、ビルの建物設備工事の時期はサイクルと考えます。ビルを200年使用する事を考えれば、エレベータ更新工事やキュービクル更新工事、空調更新工事、外壁修繕工事や内装のリニューアル工事でさえ、すべて定期的に必要となる工事です。そして当然ですが、工事サイクルが短いほど、長期的な総工事予算は膨れ上がり、工事サイクルが長い程、長期的な総工事予算も抑えられます。ただ一方で工事サイクルが長いほど、事故やトラブルや使い勝手が悪くなるリスクが高まります。だから工事サイクルを決めるとは、自ビルのリスク許容度を決める事でもあります。

まあ最初から工事サイクルを決められる事はまずありません。仮で決めておいて十分です。後で見直せば十分です。

8.5 相談をする業者のサービス水準を決める


「相談をする業者タイプを決める」とは、業者の腕が良い悪い、を見ると言う事ではありません。

そうではなく、工事にかかる付帯サービス等をどの程度の求めるか、ビル所有者が自分で決めなければいけないと言う事です。同じ工事でも、どのサービス水準の業者に工事を相談するかで、その費用はピンキリだからです。

工事に際して一番お金をかけない方法は、自分で、DIYでビル工事をすることです。これなら素材費用しかかかりません。ちなみに最近ではyoutube でもかなりの工事方法紹介ビデオがあります。専門家の腕を借りる場合でも、職人さんに直接依頼をすれば、素材費用+職人さんの人件費だけです。

ただ一般のビル所有者は、経験豊富な専門業者に、失敗しないように色々考えて欲しいと考えます。誰かがビルを見てどう工事ができるか考え、説明をし見積書を作成すればその費用がかかります。更に工事中の配慮や施工保証を求めれば、そこにも費用がかかります。綺麗な営業資料を沢山作成してくれる。工事前のテナントとの調整やテナント対策から全てばっちりで、アフターの保証も手厚く行う。全て工事費用のどこかに含まれます。 大手の建設業者であれば、安心と考える人は多いですが、大手の建設業者が小さな設備工事だけを直接請ける事はなく、大手の建設業者が請けると多くの中間費が発生してそれだけ工事費用は高額になります。

こうした中間経費は、工事内容とは直接関係なく、ビル所有者のための「サービス」としてかかってくるのです。工事の際に工事業者から上に置かない扱いを受けたいのか、出来る事は自分でやって費用を節約したいのか、これはビル所有者が決める事です。ここの目線が合わないと、トラブルの原因になります。

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Ⅳ 30年分散修繕計画を作成する


維持思考の分散修繕では、予算とリスクが分散できるように、各工事計画を時系列で取りまとめて調整をします。これは実際には、30年分散修繕を作成します。ビルを維持する計画が視覚的に描けることで、ビル維持は実現をします。現在ビルは低リスクで子供の代、その子供の代でも、使用による利益を積み上げる事ができます。

9.予算とリスクを分散する

個別の工事とその予算配分を時系列の工事計画として並べれば終わりかというと、そうではありません。そこで最後の重要なプロセスがあります。予算とリスクの分散です。

各建物設備の工事サイクルが合うからといって、同じ時期に工事が重なれば、予算の手当が難しくなります。30年総額の予算配分は出来ていて30年後のつじつまはあっても、途中で大赤字の時期や、建物状態が酷く悪い時期があれば、やはりサバイバルが難しくなります。

分散修繕の理想的な予算の分散は、毎年定額の予算を留保し、予算が準備できれば工事を行い、工事が終わるとまた次の工事計画に向けた予算を毎年定額で留保をして、次の工事を行うといったサイクルが続く事です。同時に各建物設備状態を酷く悪くしないことで、ビル全体で一定の状態を保てるようにすることです。

最後に各工事の予算や工事サイクルの調整が必要なのです。

10.30年分散修繕計画を作成する


ここまで考え決めてきた分散修繕で予定する各工事を、時系列の工事計画としてまとめて、予算とリスクの分散を調節するためのツールが、30年分散修繕計画の作成です。


ビル所有者・経営者にとって、30年分散修繕計画を作成する過程を通して、
  • ビルに必要な工事の全体
  • ビルの先の将来
  • リスクと予算の分散

が視覚的に見えるようになることが重要なのです。 それにより、「考えること、決めること」をよりブラッシュアップすることができます。多くの専門業者の意見を元に、今後も様々なリスクを回避して自ビルを経済的寿命・物理的寿命にしないために、どのように分散修繕ができるかを、自分で考え、確かめることで、今後のビル維持に自信が持てるようになります。ToDo 計画ではありません。予算配分の計画だから、数年もすれば違ってきて当然です。正確性に拘る必要がないものです。

現在では、30年分散修繕の計画は、エクセル等の表計算ソフトを使用して、簡単に作成ができます。さほど手間もなく、多くのバリエーションを作成して試行錯誤を重ねることで、失敗のリスクなしに長年のビル経営経験値に相当する知識や判断力を育てる事ができます。 ビルオではご相談者には、計算式入りのひな型をご提供しています。

また30年分散修繕計画を作成していることで、家族や関係者、工事業者等にビルの方針や考えを説明しやすくなります。工事業者には、このビル所有者は、所有ビルを寿命にしない姿勢があることを信頼され、方針に沿った提案を受けやすくなるでしょう。

30年分散修繕計画作成を作成しても、5年もすれば状況は違ってきて当然ですから、その都度30年先を考えて分散修繕計画を作り続けていれば、ビルは寿命になりません。

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11.分散修繕で日本の中小ビルも寿命がなくなる。ずっと使える。

ビルの本場欧州や日本以外の世界の中小ビルは、維持思考の分散修繕でビルが築50年はおろか築100年築200年を過ぎても、問題なく現役で使用できています。日本の中小ビルも維持思考の分散修繕を取り入れればやはり寿命はなくなり、築100年築200年を過ぎても、問題なく現役で使用できます。

そして日本の中小ビルも長く使用続けるために必要な事は、ビル所有者が、「ビルの寿命は所有者が作っている」「建替え投資はしなければいけないものではない」事を理解して、昭和の日本には入ってきていなかった「維持思考」を学ぶだけです。日本人の生活スタイルが和式から洋式に変化したように、文化も考え方も時代に合わせて変化するものです。

現在ビルの建替え投資を失敗や売却は、土地資産も失います。現在のビルを廃墟にしてしまえば、その土地は使えなくなります。しかし例え古くても安定使用が継続できれば、子供の代、その子供の代、その先が難しい時代であろうとも、低リスクで安定したビル使用による安定した利益を得ながらビルを建てた土地資産を守り続けることができます。その圧倒的なメリットがあるから、ビルの本場欧州や日本以外の世界の中小ビル所有者達は、維持思考を選び、分散修繕を選んでいるのです。

日本ももはやビルをどんどん建替えられるような人口増大と経済成長の時代ではない以上、中小ビル所有者は、建替え投資ありきではなく、(延命ではなく)維持思考で現在ビルを数百年使用続けることで得られる「低リスク」と「積み上がる利益の大きさ」も冷静に評価した上で、自ビルの方針を決められなければ、資産を守ることができません。

そろそろ自分で「考え、決めて、建物を維持する」維持思考の分散修繕を学び、自分で自分の資産を守る力をつけようではないですか。


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