築30年以上中小ビル賃貸経営者/後継者向け

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はじめに:なぜ中小ビル100年超の時代なのか

なぜ分散修繕を学び、現在の中小ビルをまだ100年超維持すべきなのか? 目を覚ましましょう。人口激減で、土地と建物の価値を自分で守らなければいけない時代です。

Ⅰ このままでは街が滅び誰もがビル資産を失ってしまう

もう60年もすれば日本の人口は半減だというのに、都市部では高層ビル再開発が止まらず、供給は激増します。すると再開発地以外はどうなるのか?人口激減で再開発高層ビルが適切に維持できなくなれば、街に人が住めなくなるのか?他人ごとではありません。私たちの問題です。

1.1 とっくに建替え時代ではない日本
日本は高度経済成長期後半から、街に中小ビルを建てる事が一般化しました。それが現在築50年を超えてきています。日本の中小ビルの大半は、80年代バブル時代に建てられ、これももう言ってる間に築40年を超えてきます。

今まではビルが築40年築50年で建替えと考えられてきました。けれども日本はもう60年もすれば人口は半減します。経済も縮小します。もはや需要は、ないどころか、激減します。

加えて、資材価格上昇、金利上昇です。普通の中小ビルの建替えは、困難な時代です。にも拘わらず、都市部では大型再開発がまだまだ続きます。

1.2 ビル寿命という考え間違い
なぜ再開発が続くのか?それは日本人が、「ビルや建物が築40年築50年で寿命」だから建て替えなければいけない。と決定的に間違った考えをもってしまっているからです。

これが間違いである事は、ビルの本場ヨーロッパをはじめ、日本以外の世界では、中小ビルは築50年どころか築100年築200年を過ぎても現役である事から明らかです。

日本でも、古い寺社や城豪邸、明治時代や昭和初期建築も多数建っています。

地震国だから・・旧耐震基準建築だから・・は関係ありません。地震国は日本だけではありません。旧耐震基準でも耐震性がある建物・少しの耐震補強で耐震性を維持できる建物は多数あります。なのにどうして日本人は、「ビルや建物が築40年築50年で寿命」と考えてしまうのでしょうか?どうして神宮球場が築90年と聞くと、建替えは仕方がないと考えるのでしょうか?

1.3 問題の根っこを解きほぐす
日本人だけがどうしてそんな考え違いをしているのか?理由は、昭和の高度経済成長期から80年代バブルの、建替え/再開発の成功体験が、あまりに強烈だったからです。人口激増経済急成長に加えて、農村部から都市部への人口流入、戦後復興期の安木造から鉄筋コンクリート造への移動と相まって、需要は建てる端から湧いて出てきました。その成功体験が忘れられないのです。

だから日本人は、
  • デベロッパーが再開発してくれれれば、街は綺麗になって栄える
  • 土地の上に建物を建てれば、どこかから需要が出てくる
  • 専門はわからないから、管理会社、不動産屋、工事業者に任せればよい
  • 古いビルは建て替えなければいけない
と良い時代しか通用しない甘えが価値観として、焼き付いているのです。

その根っこには、価値観だけではなく、平成日本の
  • デベロッパーや不動産屋が何でも教えてくれると思っている
  • 自分の頭で考えて決める習慣がない
  • 他国から学ぶ事ができない
体質があります。

1.4 私たちは考え方を根本的に変えなければいけない時代
でも人口も経済も縮小して利益のパイが縮小する時代に、需要拡大時代と同じ調子でデベロッパーや不動産屋、管理会社や専門家依存では、資産を失うのは、あまりに当然というものでしょう。

目を覚ましましょう。現在建物と土地を所有している資産所有者は、昭和の良い時代しか通用しない価値観と考え方から卒業して、縮小の難しい時代に資産を守る事ができる価値観と考え方を私たちは身に着けて、変わらなければいけない変化の時代にいるのです。
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Ⅱ 縮小時代のビル資産維持は、ヨーロッパから学べ

日本では、先進国で少子高齢化が一番進んでいるのは日本だから、日本にはお手本がないと考える向きが少なくありませんが、それは単なる教養不足です。国も都市も人口の増減はつきものです。ヨーロッパ各国の街は、社会変動の波人口増減の波を乗り越えて、現在も栄えているのです。理由があります。

2.5 なぜヨーロッパの中小ビル所有者は、古いビルを建て替えないのか?
ヨーロッパの古い街と聞くと、古い建物が建て並ぶ趣ある街を思い浮かべる人は多いでしょう。でも特別な建築技術があるわけではありません。

古いビルがどうして素敵に存在しているか?それは、何度も屋根を直し外壁を塗装し、内装をリニューアルし、建設時にはなかった電気や給排水の菅や設備、セントラルヒーティングを導入し、インシュレーションも現在基準にやり直し・・・必要な工事を行い続けているから、現在も素敵に存在をしているのです。 ではどうして、ヨーロッパの古い中小ビル所有者たちは、そんな工事をやるより建替えを考えないのでしょうか?

それは彼らが、建物を資産と考えているからです。

現在の建物を資産として維持することが、一番リスクが低く利益を得られる事を知っているからです。そして街があっての自ビルの価値も理解をしているから、適切に自ビルを維持することで、街を維持し、そして街から自ビルの資産価値を得ているのです。

2.6 伝統の持つ経済合理性を侮るな
ヨーロッパと日本は違う、と思われる方は多いですが、違いもありますが、ユニバーサルに共通する価値観や考え方もあります。 最近の日本人は、国際共通語の英語を話せないので距離を感じるようですが、本来海外の良い物や考え方を輸入して日本向けにカスタマイズする事は、日本人の最大の強みです。日本はそうして発展をしてきたのです。そこで、日本人がヨーロッパの築古ビル所有者たちから何を学ぶべきか、築古建物維持の本質を、次にご紹介します。

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Ⅲ 日本もビル維持からビル資産維持へ変わるだけで建物100年超時代実現

日本人本来の強みは、他国の良いところを学び、自国に応用することです。私たちは、いままで学び損ねていた、築古建物の価値観、ビル維持ではなくビル資産維持のための築古ビル工事の取り組み方を改めて学び、これを日本で実践することで、人口激減時代に建物と土地の資産を守る事ができるようになります。

3.7 建物の資産観をアップデートする
不動産屋はビルを箱ものと言いますが、所有者にとっては建物は、単なる「物」ではありません。建物は土地と一体で土地の価値を実現する「資産」です。建物の使用経営による利益を生む価値ある資産です。

建物は資産です。建物は資産と認識をアップデートしなければいけません。 すると、建物は築年数に関係なく、建物の使用継続に必要な工事を行った上で、建物の使用利益が十分な水準で続く限り、その建物は価値ある資産だとわかります。

3.8 建物のお得観をアップデート
現在の建物を、建替えるのと長く使うのとどちらがお得か?本来ナンセンスな問いです。建替えがお得だったのは、昭和の人口激増需要激増時代に、従前より大きな建物に建替えられた時期だけです。 普遍的には、一度建てた建物は、長く使う方がお得です。建物は長く使う方がお得とアップデートをしなければいけません。 最初の建設投資を回収してから、長く長く100年200年その使用収益を積み重ねる方がお得に決まっています。時々会計上の減価償却が終わると価値がないという人がいますが、それは会計が価値がわかっていません。わずかな資産で大きな利益を生み、総資産利益率return on assets (ROA)が高くなるのです。

英国やヨーロッパの貴族がどうしてあれだけ富裕か?それは建物を頻繁に建替えないからです。日本人もいい加減に、わざわざせっかくの資産を壊してデベロッパーだけ稼いで自分は貧しくなる考え方は卒業しましょう。

3.9 誰かが何かしてくれる甘えから卒業せよ
建物の事は専門だから建設業者に任せる、不動産の事は不動産屋に任せる、管理の事は管理会社(管理者)に任せる、税金の事は、相続の事は、トラブルがあれば弁護士に・・・、もちろん専門の仕事は専門家に依頼すべきですが、判断まで専門家に任せては、資産所有者失格です。専門家依存は卒業しなければいけません。

最終的に自分の利益をどう守り資産をどう守るかの判断をするのは、資産所有者の責任です。特に人口激減でパイが縮小してゆく時代に、専門家の利益ありきに依存しては、資産を失うのは当然です。

もう土地と建物の価値は、自分で守らなければいけない時代なのです。建物を資産として維持するか、負債にしてしまうかは、全くの自己責任でしかありません。

専門業者依存で、自分で資産を守る考え方が日本では発達していませんが、ビルの本場ヨーロッパや他国では、それが「当たり前」です。これをこの先でご紹介しています。

3.10 建物と街の関係をアップデート
どうしてヨーロッパの街は素敵で、日本の街はごちゃごちゃしているのか?それはヨーロッパの街の中小ビル所有者は、一人一人が自分たちが街を作っている事を自覚をして、街に調和するようにビルの外観を手入れしているからです。どうして古いビルの外観を手入れするのか?それは自ビルの価値が街並みの良さによって与えられている事を理解しているからです。

特にこれから人口激減の一方で古い建物が増えると、スラム化、廃墟化する街も増えます。近隣がそうなれば、自ビルの土地の価値も下がります。縮小の時代に生きる私たちは、自分の建物の事だけではなく、街のサステナビリティも考え、街の他の建物と協調する事も考えなければいけません。建物と街の関係もアップデートです。

人口激減の時代、街に人がいなくなるのだから無理では、と思われるかもしれません。でもそんな事はありません。建設投資が終わり、分散修繕で低予算で維持できる築古ビルは、安い賃料で広い面積を使えるようになります。人口が減っても広い面積をゆったり使い街は維持できるのです。そしてまた一人一人が、ゆとりある生活ができるようになるのです。ウサギ小屋からの脱却です。

3.11 スクラップアンドビルドは反サステナビリティ
建替えや再開発中地の囲みに建設業者が、SDGsを掲げているのを見かけますが、これは欺瞞です。まだ100年200年それ以上利益を生む資産価値ある現在の建物を、その建物設備や内装も含めてすべて、スクラップアンドビルドで産業廃棄物にしてしまう。これほど酷いサステナビリティに反する行為はあるでしょうか?スクラップアンドビルドの建替え・再開発は、反サステナビリティです。自然を壊し地球の未来を壊し、子孫を苦しめる。それを当たり前と考える昭和のスクラップアンドビルド発想から、もう卒業をしなければいけません。

3.12 確立されている正しい方法を学べ
「目の前の問題課題に自分で取り組み、達成感を得る。」日本ではかなり推奨されていますが、それは問題によりきりでしょう。目的は、目の前の問題対応ではなく、資産維持です。築古建物の必要工事を低予算で行い、建物を資産として長く使う方法は、既にビルの本場をはじめ世界中で確立されて実践されています。 自分が人類数千年の英知を超越した天才という自信がないかぎり、既にある知恵やノウハウを取り入れる事は、本当の問題対応の最も確実でスマートな方法です。そうしてようやく、本当の問題・・・「どうやって現在ビルの資産価値を守り利益を代々受け継げるか?」に取り組むことができます。

まず分散修繕を学びましょう。
収益ビルは安定ビル資産経営を学びましょう。
現在建物維持がさほど難しくない事がわかります。
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