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ビル資産の3面性・4面性

ビル資産には3面性があります。収益ビルには4面性があります。これを理解すると、ビル資産維持経営の問題解決力が向上します。

ビル資産の3面性・収益ビル資産の4面性

古いビルは問題が多い。不動産屋や専門家に相談をしても、良い解決が見つからない。

理由は、ビル資産の3面性・収益ビル資産の4面性があるからです。 不動産業者、工事業者、建築業者、税理士その他専門家は、うちの1面の問題を解決します。けれどもビルが古くなり問題が複雑化すると、「1面の問題を解決すると他の面の問題が出る」状態に陥るのです。

30年分散修繕計画/30年安定ビル資産経営計画の作成は、ビル資産維持経営を多面的に考えるツールです。ここではビル資産の3面性・収益ビル資産の4面性を改めて理解しましょう。より複雑なビル資産維持経営の問題解決ができるようになります。

1.ビル資産の3面性

ビル資産には、「物」「数字」「権利・契約」の3面があります。
土地とビルは「物」面です。
ビル資産は、使用経営の利益を産む事に価値があります。「数字」面です。
ビル資産の利益を得られるのは「所有権」があるからです。収入と支出は、「契約」の定めがあるからです。これが「権利・契約」面です。

1.1 ビル資産の「物」面
ビルは「物」の資産です。「物」は経年劣化します。

「物」が経年劣化すると、機能停止、事故、清潔感や安全の欠落といった問題を引き起こし、問題が増えるとビルの使用が難しくなります。

だから築古ビルの維持は、この経年劣化する「物」との付き合いです。

「ビル」と一言言っても、実際には躯体、電気給排水消防等建物設備、内装外壁保護等、多くの「物」の集合です。躯体は長持ちしますが、各「物」は、それぞれ固有の理由で故障をしたり、固有のタイムスケールで経年劣化したりします。ビルは、そうした故障個所の修繕や劣化箇所のリニューアルを繰り返す事で、存続続ける事ができます。人間で言えば、人間が問題ある血管や内臓を交換しながら、永遠に生きるようなものです。
1.2 ビル資産の「数字」面
一方でビル資産には「数字」面もあります。「利益」という「数字」を産むから資産なのです。赤字では「負債」です。ビル維持が出来ません。

ビル資産の「数字」はビルの「物」面と密接に関わっています。「物」のビルが経年劣化してビルの使用が難しくなれば、ビルは使用利益を産まなくなります。「負債」になります。 とはいえ、「物」のビルを維持するために、リノベーション投資を始め高額すぎるビル資産維持工事投資を行い、費用回収ができなければ、ビルの使用はできてもやはり赤字で「負債」化します。やはりその後のビルの維持が難しくなります。

築古ビルの維持には、「物」の経年劣化部分のリニューアル工事投資等が欠かせませんが、ビル資産として維持するためには、「数字」のコントロールも欠かせないのです。

そのために、30年分散修繕計画、30年安定ビル資産経営計画で考えます。

1.3 ビル資産の「権利契約」面
ビル資産の「権利契約」面は、ビル資産維持経営の基盤です。

30年分散修繕計画、30年安定ビル資産経営計画では表に出てきませんが、実際にはここを制する者がビル資産と利益を守る事ができます。

「権利」とは「所有権」です。ビル資産所有者がビル資産を使用経営して利益を得られる根拠は、「所有権」があるからです。土地とビルの完全所有権、もしくは土地は借地の場合もありますが、建物一棟の所有権があれば管理も処分の全て自分ひとりで決められますが、共有等ではそうはいきません。高額修繕等で問題が起こりがちです。一般に共有はトラブルの元と言われます。解消するか、修繕取り組みや売却の場合の覚書を締結しておく必要があります。

もう一つ重要なのが、「契約」です。「契約」は自ビルの利益を守る武器と理解しましょう。ビル資産の維持経営では、賃貸借契約書、管理業務委託契約書、各工事請負契約書等多くの契約を介して、収入があったり費用の支払いがあります。各契約書は、金額の取り決めだけではなく、トラブルの際の対応マニュアルです。トラブルの際にどう対応するかも、契約時に約束しているのです。だから契約書の確認は、顧問弁護士に任せれば大丈夫、ではなく、契約書作成時にはトラブル時に少なくとも自分が損しない内容である事を確認し、ことある事に契約書を確認して、自分が損をしないように契約に沿ったトラブル対応ができるようになると、自ビルの利益と資産を守る力がぐっと向上する訳です。

2 収益ビル資産の4面性

収益ビル資産は、ビル資産の3面性に加えて、「営業」面が加わります。

「営業」面とは、自分が賃貸リーシングをするという意味ではありません。自自ビルの賃料収入をつくるための全てをさします。

2.1 ビル資産の「営業」面
収益ビルは、賃料収入があっての収益ビルです。 この賃料収入はテナントに選ばれる事で実現します。 賃料水準や、どのようなテナントが自ビルを選ぶかは、地域賃貸マーケットで決まります。

「物」のビルが経年劣化すれば、清潔感や機能を失い、だんだん地域賃貸マーケットの中での賃料ポジションが下がります。そこでリフォーム等賃貸効果目的工事を行えば、賃料ポジションの低下を防ぐ事ができますが、ここにもペイができず「数字」が「負債」化するリスクがあります。だから低予算高賃料効果の賃貸効果目的工事を追求する事が、築古ビル資産経営の非常に重要な課題になります。

これは地域賃貸マーケティングで追求する事ができます。

また賃料収入の実現には、戦略的なリーシング活動も必要です。 必用なリニューアル工事等を行って物件を準備したら、適切な募集賃料及び募集条件を決め、自ビルを選ぶ可能性が高いテナントにリーチできる不動産屋/賃貸リーシング業者を選び、リーシングを成功させて、賃料収入を実現しなければいけません。

これも地域賃貸マーケティングで成果を上げます。

3 ビル資産と経営判断は3面4面の全てが関わる

このビル資産の3面性、ビル資産経営の4面性は、それぞれ独立していません。お互いに関係しあっています。だからあらゆるビル資産維持経営判断の場面で、3面性4面性を全て考える必要があるのです。
3.1 収益ビル資産の4面全てが関わり賃料収入を作り守る
収益ビル資産で「賃料収入」を得て維持する事は、収益ビル資産の4面性の全て関わります。
物のビルは、「数字」を考えて低予算低効果な賃貸効果目的工事投資で、見込み賃料でテナントに選ばれる「物件」として準備します。
数字 賃貸効果目的工事は先行投資です。だから営業の地域賃貸マーケティングで「実現できる募集賃料ポジション」を見込み、ペイができるよう地域賃貸マーケティングで低予算低効果な賃貸効果目的工事投資金額を決めます。
営業 地域賃貸マーケティングで自物件のベストな賃料水準を見込み、見込み賃料で選ばれるように物件を準備すると同時に、実際に賃貸リーシングを成功させて、見込み賃料を実現します。
契約 こうしてテナントが決まると、賃貸借契約書内に、様々な条項を盛り込みます。ここでしっかり条項を盛り込む事で、その後起こりうる様々なトラブルを自ビルが損しないように対応して、賃料収入の安定を守ります。

3.2ビル資産と経営判断は3面4面の全てが関わる




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