中小ビル経営7つのスキル6

中小ビル経営7つのスキル その6

築40年以上中小ビル経営 7つのスキルのその6の要説バージョンをご紹介します。フルバージョンは近日中に公開予定です。

中小ビル経営7つのスキル その6の要説

築50年を超えたビルの必須スキルです。

ここまで築50年以上ビル経営の基礎及び具体的な取り組みスキルの話で、こんなに沢山考えるのは大変と思われたなら心配ありません。何故ならば、慣れると分散修繕計画で考え、自立したビル経営の輪をイメージするだけで、判断ができるようになるからです。

自立したビル経営の輪とは

定期収入と定期支出が多いビル経営は、輪でイメージすると感覚的に理解できるようになります。
ビル経営には、2つの輪があります。
1つは、年間収支の輪です。決算と異なるビル経営ベースで考えると、毎年賃料収入から管理費等を支払い、修繕費等を支払い、借入金返済、固定資産税、所得税を支払い、その残りが自由采配分です。
この年間サイクルの維持は、ビル経営の基本中の基本です。ビル経営の初心者は、まずこの年間経営サイクルの確立と維持が必須課題です。ビルが新しい間は、ビル経営=年間経営サイクル維持 で十分なのですが。だから日本で一般にビル経営と思われているものは、この年間経営サイクル維持です。ところがこれだけでは、築40年を過ぎるとその後が難しく感じてしまっています。何故ならば、建物が築40年を過ぎると、ビル経営の主テーマが、単に管理をして賃料収入を得ることから、その上で総合的に建物の収益資産価値を維持することへと、レベルが上がります。ビル経営の主テーマが建物の収益資産価値を維持へ変化すると、年間経営サイクルだけでは足りなくなるのは当然です。

例えば40年に1回交換するエレベータ、50年目で交換する排水管の費用、賃貸が弱くなった際の賃貸効果維持対策を行う等の場合、工事は高額です。単年度で資金を準備することは現実的ではありません。またその費用対効果期間も1年ではなく40年50年の長期です。こうした建物の存続と建物の収益資産価値の維持に関わる経営判断については、数十年単位のより大きなサイクルで評価検討をします。これがもう一つのビル経営の輪です。

テナントから得た賃料収入は、まず小さなビルの年間経営サイクルの輪に入ります。ここで必要経費等租税を支払い、自由再配分の一部が、大きなビル経営の輪の資金となります。大きなビル経営の輪では、適時建物設備の更新や賃貸効果維持対策を行います。当然ですがその資金は、大きなビル経営の輪の資金から賄われることが原則です。もし外部から資金を入れれば、それはビルの所有が赤字であり、ビルが資産ではなく負債となっているという意味です。ビル経営が自立しているとは、外部から資金を入れずに大きなビル経営の輪が廻っている状態です。ビル経営が自立している限り、ビルは負債ではなく、収益資産です。言い換えれば、ビルの収益資産価値を維持するとは、即ちこの大きなビル経営の輪を自立した状態で維持することなのです。

この大きなビル経営の輪は、具体的には、分散修繕計画で検討することができます。

分散修繕計画は、単なる修繕計画とは違います。修繕計画は、各建物設備が推奨する修繕プランです。現在の機能を維持することを考えています。これに対して分散修繕計画は、所有者の収益資産価値維持の計画です。まず現実的な賃貸計画とそこから得られる賃料収入計画に基づく、予算計画があります。一方で賃貸計画を実現するために、経年劣化した建物設備等の更新及び賃貸維持対策の見込みがあります。分散修繕計画は、いつ、何に、いくらの予算を配分するか、の経営計画です。ここで外部資金を投入せずに予算範囲で実施できる間は、大きなビル経営の輪は自立しています。

分散修繕計画が重要な理由は、分散修繕計画は時代に応じたビルの変化を考慮できることです。ビルに要求される設備機能等も時代によって変わります。地域の需要変化、ビルの賃貸マーケット上のポジショニングによっても、ビルが提供する設備機能は変わります。築50年築100年を過ぎたビルは、こうした変化を繰り返しながら時代に合わせ、収益資産価値を維持します。どのように変化をさせるかは、所有者のビル経営次第です。分散修繕計画は、所有者の経営の要をシミュレーションできます。そうして確かめながらうことで、納得できる形を追求することができます。築50年を過ぎたビルの維持は、人間の健康維持と同じです。人間も一定の年を取れば体のあちこちに問題が出てきます。これを全て完璧に治療して常に若い人と同じ健康を維持するのは大変です。それより命に別状のない問題は容認し、悪化の恐れのある問題を治療して命に関わるほど酷く悪化させない。ことが大事でしょう。分散修繕計画の作成でも、部分部分を酷く悪化させない、その水準を見つけることは重要です。またそれがそのまま、大きなビル経営の輪になります。

築50年を超え、築100年超えを目指し、価値ある安定収益資産として可能な限り長い存続を目指すためには、分散修繕計画を検討し、自立したビル経営の輪をイメージすることは、欠かせない必須スキルです。

フルバージョン近日公開

v END COL -->