中小ビル100年時代に向けて

 

 7つのビル経営スキルの3

 

7つのビル経営スキルの3

スキル3は、自ビルの収益資産価値を理解するスキルです。より具体的には、

「自物件の収益価値の根本理解」するスキルです。

効果 

このスキルが身についているビル所有者は、
・自ビルの価値に見合った賃料でテナントを入れられます。
・無駄なく費用対効果のあるリフォーム等ができます。

その結果、築古ビルは収益資産価値を維持できます。ここから具体スキルの話になります。

このスキルは誰が必要か・・・

このスキルが必要な方は、貸しビルとしてビルの賃料収入で全ての経費を賄っているビル所有者です。自宅や自社使用ビルの場合でも、経営同様に費用対効果を考えるのであれば、このスキルが役に立ちます。一方で、他に資金源があり趣味としてビルにお金をかけるのであれば、特に気にしなくてよいでしょう。

収益価値とはテナントを理解すること

まず結論から言えば、自物件の収益価値の根本理解とはすなわち、どのようなテナントがどのような理由で自ビルに入居を決めるかの理解です。<br> 一般に言われる資産価値は売却価格ですが、これは売却しない限り関係ないものです。いくら古いビルは売れないから価値がないと言われても、賃料を支払ってくれるテナントがいる間は、何も問題ないではないですか。ビルの所有を守り続ける所有者にとって意味があるのは、いくらの賃料収入が稼げるかです。そしてビルがいくらの賃料収入が稼げるかは、このビルの部屋に賃料を支払うテナントがいるのか、いればいくらの賃料を支払ってくれるのか。なのです。なにしろ例え自分ではこの賃料が妥当と考えても、その賃料で部屋を借りたいというテナントが現れなければ、部屋は空室のまま賃料収入も入りません。だから築古のビル経営に関係があるのは、収益価値です。

収益価値の理解がビル寿命を決める

築古ビル所有者にとってなぜこの自ビルの収益価値の理解が重要かといえば、このスキルの有無がしばしばビルの寿命を決めてしまうからに他なりません。
一棟のビル所有者にとって、前のテナントが退去して新しいテナントを募集しなければいけない事態は、実は滅多にあるものではありません。だから前回のテナント募集時は好景気の築浅物件としてすぐに次のテナントが決まったのに、今回のテナント募集ではなかなか次のテナントが決まらない。という事態は起こり得ます。
このスキルがあることで、築古ビル所有者は自ビルの価値に見合った賃料でテナントを入居させ、室内や共用部のリフォームで手を入れる際には無駄なく費用対効果のあるリフォームを行うことができます。逆にこのスキルがなければ、そうした結果は運次第になります。本来の価値よりずっと低い賃料でテナントが入居していたり、入居テナントが見つからなくて空室が続いていたり、ピントの外れたリフォーム工事で高額だったにも関わらずテナントが決まらなかったり、気がついたら収益が悪化してビルを持ちきれなくなるのです。実際に賃貸をどうするかは不動産屋にお任せ、リフォーム等工事をどうするかは工事業者にお任せ、不動産屋のいうままに募集賃料を下げ、気がつくと収益が悪化していて「古いビルはだめだ!」となる話は多いでしょう。
ビル経営のスキルを持たないことは、ビル所有者の責任ではありません。日本では従来ビルを長く持つ文化がありませんでした。だから知らないのが当然です。ただもうビルを所有している以上、いつまでも長く知らなかった、では通用しません。貸しビル業も他の商売と同じです。賃料収入を稼ぐ自ビルの顧客(テナント)を深く理解し、顧客が対価を支払うに値する価値を提供する。時代の変化に合わせてこれを継続することで、商売は存続できます。だから自ビルの収益価値を理解するスキルは、自ビルの寿命に関わる重大なものなのです。心してください。

自ビルはどのようなテナントにどのような理由で選ばれるのか

自ビルは現在、どのようなテナントにどのような理由で選ばれるのか、正確に理解していらっしゃいますでしょうか?商品を売る商売であれば、自分が売っている商品の良さはわかっていて当然ですが、自分や自分の所有するビルの良さを客観的に説明するのは、結構難しいものです。
一般に言われる立地と築年数は、重要条件ですがそれだけでは決まりません。実際に立地に恵まれていない築古だけれど満室のビルは数多くあります。確かに好立地新築ビルと立地が悪い築古ビルが同賃料でテナント募集されていれば、好立地新築ビルが選ばれることは間違いありません。しかし立地が悪い築古ビルが相対的に低い募集賃料でテナント募集されており、それが納得できる水準であれば、賃料の安い立地が悪い築古ビルを選ぶテナントは当然に出てきます。それからまた好立地新築ビルの募集は10坪で、立地が悪い築古ビルの募集は30坪で、部屋を探しているテナントが求めているのは30坪であれば、やはり30坪が選ばれます。
通常ビジネスとして部屋を求めるテナントは、選好性の好み以前に、ビジネスで使用する部屋として欠かせない要件を持っています。ビジネスとして欠かせない立地条件、売り上げ規模に見合った賃料、社員数に応じた部屋の広さ、欠かせない設備条件、建物使用規則他様々です。例えばサーバーやMRIを設置するために一定の床荷重と電気揚力が必須、徹夜もあるため24時間出入りが必須等、テナントのビジネスによって様々な必須条件があります。
こうしたテナントが求める必須条件には、ビルとして変えられない固有の条件と一定の投資で変えることができる条件とがあります。
ビル所有者にとって、まず知りたいテナントタイプとは、自ビルの変えられない条件だけで選んでくれるテナントであることは、疑いないでしょう。変えられない条件とは、ビルの固有の特徴です。変えらない条件だけでビルが選ばれる間は、何かを変更する追加投資をする必要なく、テナントが決まります。

自ビルを選ぶテナントの見つけ方

一般にビルの変えられない条件とは、
立地、
フロア面積
建物グレード
共用部設備項目
床荷重等建物躯体に関わる条件
です。他に例えば貸し部屋面積やバリアフリーが変えられる条件か変えられない条件かは、建物によります。

まず自ビルの変えられない条件を改めて確認しましょう。
次にそれぞれの条件を選ぶテナントの理由を見つけましょう。
例えば立地であれば、来客は少ない(裏通り)
部屋の面積であれば、総数が5名から10名
共用部設備から、女性が多い事務所向けではない(トイレが男女別ではない) 、といった具合です。
こうした条件を集めて、自ビルを選びそうなテナント像が見えてきましたでしょうか?不動産業者や賃貸仲介業者と話をすることをお勧めします。また変えられる条件を含めるとどうでしょうか?

テナント募集が必要な時に、こうした自ビルの条件を選ぶテナント像が分かっていると、それを不動産業者と話し合うことで、不動産業者は効率良く確度の高いテナントを見つけることができます。競争力を強化するために多少手を加える場合でも、どうすることが効果的かわかります。例えばトイレを綺麗にする、と一言言ってもテナントタイプによって好まれる内装テイストは違うのです。 また現在の状態では自ビルを選ぶテナントを見つけることが難しい場合でも、そうした事実を客観的に理解し、どうすれば少ない投資でテナントに選ばれるのか、新しいテナント像を理解することで、具体的に見つけることができます。

 

スキル3習得・・・

テナントから見た自ビルの理解には、客観的な視点が重要です。ビルオでは、一棟一棟のビルの賃貸マーケット上での変えられない条件と変えられる条件を整理し、自ビルを選ぶテナントとその理由を客観的に深く理解するお手伝いをいたします。また発展的に様々な条件を想定してシミュレーションを行い、今後取り得る賃貸維持対策に対して考えを深めるお手伝いをします。

  築古ビル経営管理の「決める」スキル

1 ビル経営の相互影響を考えるスキル・・・・ スキル1
2 先を考えた経営判断のスキル・・・・・・・・・・ スキル2

これが最初に来る理由は、普段のビル経営管理でも使うスキルだからです。

  築古賃貸スキル

3 自ビルの収益資産価値を理解するスキル・・・ スキル3
4 自ビルの募集賃料を決めるスキル・・・・・・ スキル5

自ビルの収益資産価値を生かし、その価値に見合った賃料収入を得られるために、自ら評価するスキルです。

  築古建物設備スキルと工事スキル

5 自ビル建物設備課題の優先順位をつけるスキル・ スキル5
7 自ビルの大型工事を成功させるスキル・・・・・ スキル7

こちらもあちらも問題だらけの築古ビルで、ではどのように優先順位をつけることができるのかのスキルです。そして良い業者を見つけて納得のできる工事をしてもらうスキルです。

  築古ビル経営計画スキル

6 自ビルの自立した分散修繕計画を立てるスキル・ スキル6

今後の賃料収入をどのように見込むかによって、収益資産価値維持に使える予算が異なりできることが異なります。その結果がまた賃料収入に反映します。計画があることではなく、このサイクルがイメージできることが大切なのです。